元獣医師の子育て記録

都内で猫2匹、多数のげっ歯類、ヒトの女の子1人を育てています。

帝王切開(個人の感想)

妊娠〜出産・育児の過程はどれも刺激的ではあるが、個人的に特に興奮したのは帝王切開。予定か緊急かでだいぶ印象は変わると思うが、私は予定帝王切開だったので、決まったときからそれはもうワクワクしていた。

生きて意識がある状態のまま腹切られるなんて経験、なかなか無くない?それだけでもう興奮しますよね。ということで帝王切開について。

 

帝王切開が適応となった理由

私の場合は前置胎盤だったので、予定帝王切開となった。

前置胎盤というのは、子宮口に胎盤が被さってしまう=下から産むと胎盤を突き破る形になり、母子ともに危険な状態になるため、帝王切開の適応となっている。

あとは双子ちゃんも帝王切開になるみたい。

こういうのが怖いので、私は産院は小児科も併設されている大きな病院を選んだ。食事が豪華とかお姫様扱いとかよりも子供と自分の命を優先したかったので。バースプランとかあれこれ考えても、結局思い通りにならないことがどうしても出てくるし。

ちなみに一応産院でもバースプランについて訊かれたが、「母子ともに安全ならなんでもいいですが、胎盤だけは絶対に見たいです」とだけ回答した。

知識として胎盤の機能などは知っていたが、動物のお産に立ち会ったことがなかったので本物の胎盤を見たことがなくて…どーーーーしてもこの目で見たかったのだ。

助産師さんからは引き笑いされた。

結果としてはきちんと胎盤を見れたので良かった。思ったより大きかった。

 

帝王切開でよかったこと

私が入院した産院では、予定日の前日に入院→帝王切開→その後一週間入院、という流れだった。いつ陣痛・分娩が始まるかわからない自然分娩と違って、子供の誕生日まで確定していること、それにあわせて夫が確実に立ち会いできたことは予定帝王切開ならではのメリットだなぁと思う。

あと下から産むとだいぶ膣がゆるくなるようですが、帝王切開だとそれはないので産後の夫婦生活も安心(何が?)

 

帝王切開でつらかったこと

よく「切ったところが痛すぎてトイレまでが遠く感じる」とか「ダメージがすごすぎて起き上がれない」とか言われるが、私はそうでもなかった。痛みに異様に強いのかもしれない。

もちろん切ったところは痛いし、術後しばらくはヨタヨタ歩いてたが、正直「お腹切ったらまぁこんなもんだよな」としか思わなかった。だって私も犬猫のお腹切ってたからね♪

「今まで経験したことの無い痛み」とか言われてる自然分娩のほうがよっぽど怖い。

術後の子宮収縮もかなり痛かったが、ロキソニンで軽減される程度なので生理痛の延長線みたいなかんじだな〜と思った。

 

私の場合、お腹の痛みよりも一番つらかったのは絶食。

なぜ局所麻酔なのに絶食が必要かは結局わからなかったが(途中でなにかあって全身麻酔に切り替えても大丈夫なようにかな、と推察している)、手術前日の21時〜手術翌日の昼食まで、約1日半何も食べられない。まぁ手術当日は寝たきりなんでどうせ食事出されても食べられないけどね。

もう術前からお腹すきすぎてずーっと夫に「お腹すいたお腹すいた」とLINEしてた。手術翌日にお昼ごはんを食べたときの嬉しさといったら…。久しぶりにまともな食事にありついた貧乏農民のごとくガツガツ食べた。回復食だから水みたいなおかゆだったけど。量も少なかったけど。

オシャレ〜な産院じゃないのでいわゆる病院食だったが、特に好き嫌いもないので毎回完食してた。なんならおかわりしたいくらいだった。

隣の患者さんが看護師さんに「量が多くて残してしまいました…」と毎回のように報告してて、正気か?と思った。私の食い意地が張りすぎてるだけ説。

 

帝王切開だと愛情がわかないってマジ?

よく言われてますがどうなんだろう。確かに出産直後は「なんだこの生物…どうやって私のお腹の中に入っていたんだ…」という感情ばかりで、「かわいい」というよりは「不思議」という感情が勝っていたが、毎日お世話に追われていれば嫌でも愛情はわく。あまりにも時代遅れ…というか物を知らない言説だと思う。幸い私の周りにはそんなアホみたいなこと言う非常識人間は存在しなかったが。

これから帝王切開になる方、帝王切開で産んだ方、もし言われても気にせず生きていきましょう。どうせ先に死ぬ奴らです。

 

 

最後に入院中に役立ったアイテム第一位を発表して終わる。

病院から渡された持ち物リストにはなかったが、ペットボトル用ストローは持ち込んで本当に良かった。

ピカチュウなのは個人の趣味。別にキティちゃんでもマリオでもいいと思う。

横になったまま水分補給ができるのは便利。高価なものでもないので、ぜひ。

 

次は我が家の離乳食事情について書こうかと思う。

妊娠中のあれこれ

妊娠初期の話を書く予定だったが、思ったよりボリュームがなかったので妊娠期間全部でまとめる。

 

ドップラー聴診器で心拍を確認する毎日

妊娠が確認されたものの、初期ってお腹も大きくなってないし、当然胎動もないし、本当に赤ちゃんが生きてるのか?と不安になったので、買ったのがこちらのドップラー聴診器。

それなりにいい値段はするが、私は買ってよかった。毎日お風呂上がりにせっせと心拍を確認していた。胎動が出てきてからは不要なので必須ではないが、あるとちょっと安心できるので、精神安定剤だと思って買うのが吉。

意外と下の方で聞こえる。パンツのラインギリギリあたり。

これはできないけど、心拍を録音できるタイプのものもあるからそういうのでも良かったかも。

 

二日酔いはつわりの予行演習

あと妊娠初期と言えば、つわり。私はつわりは軽めだったものの、空腹になると吐き気が出てくるいわゆる「食べづわり」だったので、ちまちまつまめてそんなに不健康じゃないものを…ということでドライフルーツを食べていた。

ちなみにどうでもいいが私はかなりの酒飲みで、妊娠前は半年に1回くらいは二日酔いになっていて「気持ち悪い」という状態にかなり耐性がある人間だったので、つわりは「軽めの二日酔いの延長線上」みたいなかんじでそんなに苦じゃなかった。酒飲みでよかった。

 

葉酸のサプリは妊娠前から飲むとか知らんかった

サブタイの通り、真面目に妊活やってれば当たり前のことすら知らない意識の低い妊婦だったが、妊娠判明後は一応サプリを飲んでいた。

妊娠中に取ったほうがいい栄養素がまとまっているやつ。一番コスパがいいのでディアナチュラを買っていた。

これのおかげかはわからないが、たいして食生活に気をつかっていたわけでもないのに、鉄欠乏は一度も指摘されなかった。

 

結婚指輪は早めに外しておけ

これマジで焦った。妊娠8ヶ月くらいになって指がむくんでばね指みたいになってきたので、そろそろ指輪外しておくかw って思ったら外れないの。むしろ緩めの指輪してたのに。

結局ハンドクリーム塗りまくってヌルヌルにしてやっとの思いで外したが、マジで指輪切断が頭をよぎったので、今妊娠中で指輪してる人は一刻も早く外しておいた方がいい。特に予定帝王切開の人はアクセサリー全部外す必要があるので、本当に今すぐ外したほうがいい。私は外してネックレスにしてつけてた。

 

他にもいろいろあった気がするが、2年前ともなると記憶が薄れている。脳の劣化を感じる。若い頃はあんなになんでも覚えていたのに。

 

次は帝王切開の話にしようかと思ったが、一旦妊娠中の話に飽きたのでうちの離乳食事情の話にするかも。気分次第で決めます。

妊娠判明の思い出

前回書いたとおり、都合により排卵予定日におせっせができなかったため、今回は妊娠しないかもな〜フハハ!くらいに考えていた。

前回↓

arahina.hatenablog.com

が、いつもほぼ28日周期で来る生理が30日経ってもまだ来ていないことにふと気づいた。

しかし妊娠検査薬は生理予定日の一週間後の使用が推奨されているので、ぴったりその日まで待つことにした。私とクリアブルー(妊娠検査薬)の関係は結構長いため、扱いももうお手の物である。

気もそぞろにさっさと仕事を終わらせ、即帰宅。以前購入していた妊娠検査薬にて早速検査。やはり陽性。

今まで陰性の結果しか見たことがなかったので(それはそう)妙に感心した記憶がある。

 

さて、この結果を夫に知らせたい!!!!が、小さなメッセージカードに「パパになるよ♡」とか、そういうしゃらくさいことはしたくない!!!というかこっ恥ずかしい!!!でもなんか面白く知らせたい!!!

と考えた結果、動画を作ることにした。

HOT LIMITの歌い出し、「妖精!」のタイミングで陽性の結果画像を見せるというおもしろ動画である。


www.youtube.com

今はiphoneさえあれば簡単な動画編集ができるのでいい。結婚式のプロフィールムービー作成で培った技術が火を吹いた。

約2時間ほどiphoneと格闘し、動画を作り終え、あとは夫の帰宅を待つばかり。

笑ってくれるかな、喜んでくれるかな…そんなことを考えながらにやけ顔を噛み殺し、帰宅した夫に見せた。

第一声は「はぁ?」

さすが私の夫。人の心がないため、どんなときもドライで、淡々とした受け答えしかしない。

「なにこれ?子供できたってこと?」と冷静に詰めてくる。笑ってよ…。

「そうだよ」と答えると「ふーん。猿が1匹増えるってことか…」といかにも獣医師らしい発言でまとめてきた。こんな男が子煩悩になるなんて一体誰が想像しただろうか。

 

さて、妊娠検査薬が陽性になったからといって油断してはいけない。エコー検査で胎胞が確認されて、初めて妊娠が確定するのだ。

ということで、翌日か翌々日くらいに産婦人科にかかり、無事胎胞を確認してもらった。ネット予約だと全然空いてなかったが、電話して当日枠に入れてもらった。子宮外妊娠だと怖いから早く診てもらいたかったので…。

 

ちなみに、ここまでの検査(血液検査や卵管造影、胎胞確認のためのエコーなど)はすべて平日にしている。これは私が

裁量労働制で働いており、外出や午前休・午後休が比較的取りやすい

・基本的に在宅勤務のため、家から近い病院に通いやすい

・内勤のため、客都合に振り回されることがあまりない

という平日に病院に行きやすい環境で働いているおかげである。

臨床獣医師をしていたらなかなかこうはいかなかったと思うので、そのへんも転職してよかったな〜と思うところだ。

 

次は、妊娠初期の話を書く予定。

妊孕性検査、そして妊娠

さて、排卵検査薬との戦いに破れた私には、ある一つの懸念が浮かんでいた。

「そもそもLHサージが起きていない…?排卵していないんじゃね…?」と。

だってあまりにも排卵検査薬の判定難しかったんだもん。基準と同じ濃さになったことなくねってかんじだったんだもん。

というわけで、一旦疑念を晴らすべくきちんと検査を受けることにした。ので、まずは産婦人科探し。なるべく家から近くて、ちゃんとしてそうなところをGoogleマップで検索。

ちなみにGoogleマップの病院に関する口コミは悪くなりがちなのであまり真に受けない方がいい。よくよく読むと「それお前が悪いじゃん」みたいなのも多い…。

 

私は駅チカで、家からも徒歩圏内で、ネット予約できる病院を選んだ。電話苦手だから電話予約したくなくて…。

あとは院長の経歴がちゃんと書かれていて、ちゃんと専門医資格を持ってて学会に加入しているのもポイントだった。当たり前だけど。あと欲を言えば女医さんが良かったけど、家からの近さは代えられなかったので、男性院長に見てもらうことに。

結果的には院長さんの説明は丁寧でわかりやすく、特に不満もなかったので良かったが、変えるのも面倒なので病院選びはなかなか緊張する。マッチングアプリで知り合った人と会うようなドキドキ感がある。知らんけど。

 

妊孕性の検査は、まず普通の血液検査をした。私の場合はLHがちょっと基準値より低いけど、プロゲステロンは正常値だし、他の項目にも問題ないしでこれが原因ではなさそう…という話。

血液検査に問題がなかったので、次のステップとして卵管造影検査を勧められ、これを受けることに。

この検査は膣から造影剤を入れてバルーンで栓をし、X線で撮影して確認する…というもの。バルーンを入れている間は生理痛と同じくらいの痛みがあるので、もし怖ければ生理痛の時に飲むような鎮痛剤を飲んできてね、と言われていた。

ただ、私は生理痛が軽い方なので普段から鎮痛剤を飲むことはほぼないこと、あと「鎮痛剤なんて飲んだら負けだぜ!」という謎の縛りプレイ思想で鎮痛剤を飲まずに検査を受けた。

 

…が、めっっっっっちゃ痛い。まじでなめてた。生理痛とかそんなんじゃなくてもっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。ちょっと考えたら痛いのは当たり前なんだが。内臓を内側から圧迫してるんだから。痛みで吐き気を催したのは初めて。キリキリした痛みで呼吸は浅くなり、脂汗が出、看護師さんに「なめてました…痛いです…鎮痛剤飲んでくればよかった…」と泣き言を訴えるも、看護師さんもどうしようもないので苦笑いされる始末。バルーンを入れた処置台からX線の部屋まで移動し、また処置台に戻ってこなければいけないという過酷な旅。

そんな旅を終え、バルーンを抜いてもらった瞬間の爽快感と言ったら。抜いた瞬間マジで痛くなくなってこの世はHappy♪とルンルン気分で結果を待った。

結果は「異常なし」。つまり私には妊娠できない理由が特に見つからない…という結論だった。

 

ここまで来たら、もう一つ考えなければいけないことがある。そう、男性側に問題がないか?ということである。不妊の原因は女性に求められがちだが、当然男性側にある場合もある。データによりまちまちだが、だいたい不妊の原因の25〜50%くらいは男性にも原因があると言われている。

でも、私は夫に検査を勧める気は微塵もなかった。もし夫が原因で子供ができないのであれば、それはそれでもう良しとして、二人で生きていくつもりだったからである。夫が「子供?できたら育てるけど…」と妊娠自体にあまり前のめりじゃなかったのもあったが、男性の不妊検査はプライドを傷つけられることもある…と聞いていたので、彼のプライドを危険に晒してまでお互いに子供欲しくないな、と思っていたから。

ちなみに、ここまで検査を受けたことを夫には一言も話していなかった。私に原因があれば私だけ治療すればいいし、原因がなければそのままでいいと思ってたので。

 

なので、男性側の検査はせず、とりあえずタイミング法を試すことに。エコーで卵巣を見てもらって、この日に排卵しそう…というタイミングを図っておせっせする方法である。排卵検査薬と違って自分で判断しなくていいので気楽。

早速卵巣を見てもらい、排卵予定日の目処がついたものの、なんとその日は私が法事で2日ほど家を空ける日/(^o^)\オワタ

そう先生に伝えると、「じゃ、じゃあ家をでる前日と、帰宅した日とで念の為2回やってみてください…」と困り顔で告げられた。てへ。

 

んで、言われた通りにやったら一発で妊娠した。てへ。

もういい歳だから妊娠検査薬買うのも別に恥ずかしくなかったので普通に薬局で買ったが、今はネットでも買えるのでいいね。

 

次は妊娠判明の思い出を書く予定。

雑な妊活 〜私のLHサージはどこへ〜

もう2年ほど前の話になってしまっているので、忘れないうちにさっさと書こうと思う。

 

そもそも全然自然妊娠しなかった。1年くらいふんわりと妊活してたが、毎月規則正しく生理が来る日々。子供めちゃくちゃ欲しい!!!!!!とかじゃなかったから「うほ〜全然できないなwww」ってノリで生きていたが、妊娠を熱望してる人だったら病んでたかもしれない。

あまりにもできないから一旦真面目にやるか…と思って排卵検査薬を買った。

月経予定日の17日前から1日1回尿で検査するやつ。LHサージという卵巣ホルモンが爆上がりする=排卵のタイミングを図ってくれるスグレモノ。

妊娠検査薬と違い、陽性がでたらどうのこうのではなく、control(基準)の線よりも濃くor同等に出たらLHサージが起きたよ、薄かったらまだだよ、という判定なのだが、まーこれの判別が難しいこと。

まだ薄いな…あれ、今日は昨日よりも濃い…?いやでも基準より薄いような…同じなような…わからん…あ、今日は薄くなってしまった…といったかんじでモヤモヤする結果に終わった。

なんかそれっぽそう…?みたいなタイミングでおせっせしてみたものの、もちろん妊娠せず。

12本入りなのに6本しか使わないまま終わったァ!!!!!!

 

ただ、これがちゃんとした検査を受けるきっかけになったような気はする。

次の記事で妊孕性検査(いわゆるブライダルチェック?)について書く予定。

自己紹介

はじめまして。あっさと言います。

数あるブログの中からこのブログに足を運んでいただきありがとうございます。

aboutに記載している内容と被るのですが、まずは自己紹介させてください。

都内で獣医師の夫と、0歳(もうすぐ1歳になりますが…)の女の子、日本猫2匹、デグーチンチラ、ジリス、ヤマネと暮らしている一般女性です。

 

ブログタイトルの通り、以前は犬猫の診察をする獣医師をしていました。が、長時間労働や責任の割には低賃金なこと、年間休日は105日で有給取得もままならない環境に嫌気が差し、土日祝日休みの一般企業に転職しました。夫も含め、社会的責任感と使命感だけで臨床獣医師を続けている方々は本当に尊敬しています。

まぁ一般企業勤めだからといって獣医師免許を失効したわけじゃないので「元」獣医師かというとちょっと微妙なところなんですが…そこは気にしない方向で。

 

結婚も遅く、3年子無しを経てタイミング法で子供を授かり、帝王切開で女の子を出産、完ミとベビーフードで育児…という一昔前のクソ姑なら発狂しているような人生を送っています。

子供が1歳になるにあたり保育園に入れて職場復帰だぜ!と思っていたらご多分に漏れず保育園に落ち、することもなく暇になったのでブログを始めてみました。

職場では文章を書くこともかなり多いので、リハビリというかボケ防止というか、そういうものも兼ねて…。

 

子育てをしていると大なり小なり困りごとにぶつかるかと思います。私も日々ぶつかっています。そんな方々の助け…とはいかずとも、問題解決のヒントになれば…「あ、こいつも同じことで困ってたんだ草」くらいに思っていただければ…と、そんなかんじで更新予定です。

 

子育て中のみなさま、子育て予定のみなさま、子育てを卒業されたみなさま、どうぞよろしくお願いします。