元獣医師の子育て記録

都内で猫2匹、多数のげっ歯類、ヒトの女の子1人を育てています。

おすすめ書籍【育児編】

育児をしていると不安と疑問だらけだなと感じるが、それを少しでも解消してくれるオススメ本を紹介する。

 

《オススメ》

ママとパパの 赤ちゃんと子供の病気・ホームケア辞典

こちらはタイトルの通り一般的なママパパ向けなので、医学・生物学を学んでない人でもかなりわかりやすい。何が良いって「鼻水が出た」「食欲がない」といった症状から対処法がわかるところ。

医療関係者向けだと基本的には疾患名でひくので、いわゆる単なる風邪の症状への対処法は載ってなかったりする。必ず持っておきたい1冊。

 

病気が見える15 小児科
病気がみえるvol.15 小児科

病気がみえるvol.15 小児科

  • メディックメディア
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医療関係者にはお馴染みの「病気が見える」シリーズ。広く浅く全体をカバーしてくれている。この本の何よりも好きなところはイラストがめちゃくちゃ豊富なところ。文字だけだとわかりづらい内容が、イラストによりとても理解しやすくなっている。ただし、内容は医療関係者向けのため少し難しい&稀な疾患も多く載ってるので、医学を多少なりともかじってる人じゃないとオーバースペックになっちゃうかも。あと、乳児湿疹やおむつかぶれなど、皮膚科系の病気はあまり網羅されていないので注意(皮膚科の方にまとまってるのかも)。

 

ナースが知っておきたい 小児科でよくみる症状・疾患ハンドブック

タイトルの通りナース向けではあるが、カラフルなノートっぽくまとめられているので比較的読みやすい。写真があるのも◎。ただし当然ながら医学用語にフリガナはふられていないので、全く生物学を知らない人だと少し難しいかも。

「家族からよくある質問」といったコラムもあり、「病気がみえる」シリーズが基礎を学ぶためのものだとすると、こちらはより実践的なイメージ。

 

【アプリ】教えてドクター

教えてドクター アプリ画面

本じゃないけどご紹介。症状や病名から検索できるだけでなく、防災の心得や「こんな時って救急車呼んでいいの!?」みたいなこともわかるすごいアプリ。解説もイラスト満載でわかりやすい。

すごいのに無料アプリなので、本はちょっと…という人はとりあえずダウンロードしてみてほしい。

 

赤ちゃんのための補完食入門

補完食(≒離乳食)の概念、進め方を優しく解説してくれている本。

個人的に著者の相川晴先生は人柄・知識ともにとても信頼している方なのと、何より実際に家庭で料理を担っている方が書いた本なので、とても実践的でこちらに寄り添ってくれている(男性医師が書いたものだと「なんだてめーそれお前毎日やってみろや絶対家で料理してねーだろ」みたいなことがたまにあるので…)。

参考文献もりもりでしっかりエビデンスに基づいてる他、実際に相川先生が進められた方法も載っていたりしてわかりやすい。力強くオススメする一冊。

 

大人ごはんからとり分けも! きちんと簡単離乳食

会社員であれば子供が生後5-6ヶ月くらいになったあたりで保険組合から勝手に送られてくる本。なので買う必要はない。

食材別にどのくらい細かくするか?いつから与えていいか?が写真付きで一覧になっており、これがめちゃくちゃ便利。

下ごしらえの詳しいコツやざっくりとした進め方、取り分けレシピが載ってるのもいい。

ただ、各時期におけるQ&Aには「?」と思うこともあるため、ここはあまり真面目に捉えなくていいかな…と思う。

 

かんたん!ラクチン! 冷凍保存の便利レシピ266

これは全然育児本ではないがオススメなので。

各食材ごとに冷凍に向いてるか?向いてないか?どうすればおいしく冷凍できるか?が書いてあり、普段から色んなものを冷凍しまくってて冷凍庫がパンパンな人間には必携の一冊。

大人の料理だけでなく離乳食にも応用できる面はあるので、持っていて損はないと思う。

 

《なんだかなぁ》

症例から学ぶ 周産期診療ワークブック

妊娠初期にハイになって買ってしまった一冊。

ちゃんとした学会が出しているだけあって、めちゃくちゃ内容はしっかりしてる。が、明らか妊婦には必要ない。研修医とかそういう人が読む本(それはそう)。まさしくオーバースペック。

これよりはネットで「産科 ガイドライン」と検索すると出てくる、産婦人科診療ガイドライン-産科編2020(ちなみに最新版は2023だが、読むには購入する必要あり。一般人が読むなら2020版で十分)や、産科婦人科学会が一般の方向けに書いてるページ(https://www.jsog.or.jp/citizen/5719/)の方がわかりやすい。

 

はじめてママ&パパの育児

月齢ごとに色々まとまっている他、予防接種や離乳食、沐浴、授乳中など本当に育児をまるごと網羅した本。Amazonの評価は高いのだが、私はあんまり…。

というのも、どこからか募集されてきた他人の赤ちゃんが身長や体重付きで載ってるのだが、どうしてもこれと比べてしまってモヤモヤする。そして「お前誰やねん、しゃらくさいわ」の気持ちでいっぱいになる…

なんか中途半端な大きさで本棚への収まりが悪いのも個人的なマイナスポイント。

他人のことが気にならない人、育児の概要だけとりあえず知りたい人にはいいかも。

本屋には大抵置いてると思うのでチラッと立ち読みしてから買うのもアリかな…

 

子どもはこう育つ!おなかの中から6歳まで

これも会社員であれば子供が生後5-6ヶ月くらいになったあたりで保険組合から勝手に送られてくる本。なので買う必要はない。

失礼ながら、いかにも医者夫婦が印税目当てで書いたんだろうなという印象。

イラストが多く読みやすいのと、さほど変なことは言っていないので毒にはならないのだが、別に役立つことも言っていない。うん、知ってるってことしか書いてない。世の中にこの本しかなければ有用だとは思うが、そんなことはないので特に必要ない。

 

 

また何かあれば追記するかも。

【0歳児】買って良かったもの

私自身がこういった個人ブログに色々と助けられたので、備忘録も兼ねてリストアップしておく。

買って良かったもの

ジョイントマット

ハイハイ〜つかまり立ちを始めたら必須。ソファから落ちても、後ろ向きに頭からひっくり返ってもマジでノーダメ。マンションなら階下への防音対策にもなる。

厚さは2cmで過不足を感じたことはない。1cmだと薄すぎるし、ルンバでバラバラにされるので絶対やめた方がいい。2cmならルンバがギリギリ越えられてかつバラバラにならない。

リビングに敷くだけなら一旦60cmを16枚で十分なはず。足りなければ買い足せばOK。45cmサイズだと細かく区切れるが、枚数が多くて敷くのが大変かも。

なお、猫の爪とぎにされてボロボロになるのはご愛嬌。

 

コーナーガード

ローテーブルにつけているが、頭をぶつけても全然痛くなさそうで良い。

ただし、中途半端な商品は赤ちゃんに外されてしまうので、100均などで買うのは絶対NG。安物買いの銭失い以外の何物でもない(体験談)。↑はかなりしっかりしていて、フィジカルモンスターな娘の攻撃にも負けないのでオススメ。でも同じメーカーのコーナーガードはあっさり娘に引っ剥がされてしまった。

 

お風呂マット

新生児期もベビーバスじゃなくてこれで十分。安いのに長期間使えてコスパ◎。

 

ベビーゲート「置くだけとおせんぼ」

猫トイレなど触れられたくないものを隔離するのに必須。身長150cmちょっとの私でも楽々跨げる一方、赤ちゃんは通さない。置くだけタイプは突っ張り式より自由度は高いが、赤ちゃんのパワーで動かせてしまうので設置は少し考える必要あり。場所によっては突っ張り式でもいいと思う。

 

モンポケ ベビーカーメリー

まず何より可愛い。ポケモンは今の子育て世代に直撃なのでズルい。ベビーカーに吊るしておくとこれを弄って大人しくしていることが多い。ピカチュウだけマジックテープで取り外せて、ぬいぐるみとして使えるのもポイント。コロコロっとした可愛い鈴の音も良い。

 

ブランケットクリップ(ベビーカー用)

我が家ではベビーカー使用時に防寒ケープではなく、おくるみをブランケットクリップで留めて防寒している。このクリップは大振りで留めやすいのでオススメ。デザイン性は無いけど。

 

マルチクリップ

こちらは抱っこ紐使用時に防寒としておくるみを被せる用(下図参照)。可愛くてホールド力も高く、使いやすい。また、ハンドタオルと組み合わせて即席のよだれかけにすることもできるので、外で食事する際にも役立つ(娘は食事用エプロンのガサガサした感じが嫌いなので…)。

 

人によるなぁと思ったもの

ベビーバス

よくわからないまま人から貰ったものを使っていたが、お湯を張る手間、溺れないよう片手で支えながら洗わなきゃいけない手間、洗って乾かす手間などを考えると、前述のお風呂マットで十分だったなと。長く使えるものでもないので、使うとしてもレンタルで十分と感じた。

 

レッグウォーマー

かまり立ちするようになってから、ズボンを脱がせてオムツ替えるの面倒だな…と思い購入したものの、動いてるうちにルーズソックスみたいになってしまうのでそれを直す方が面倒だった。じゃあ動かないうちに必要だったか?というと、その時期はロンパースを着ていたので別に…ってかんじ。ただ可愛くはある。

 

A型ベビーカー

ベビーカー自体は絶対必要。特に車を持ってない都市圏住まいなら。ただ、A型はレンタルでB型を購入でも良かったかなぁと今では思う。A型は安定感があるもののやはり大きめなので、まいばすけっとマルエツプチなどの小さいスーパーに入るには少し気が引けるし、機動性も悪い。でもB型を使ったことはないので、結局のところはよくわからない。

 

転倒防止リュック

背負ってる姿は可愛いのだが、夏だったのを考慮しても暑そう。背中がかなり蒸す。また、横からのダメージは防げないので横向きに倒れてぶつけたり、あるいは後ろに倒れてもクッションからずり落ちて結局頭をぶつけたり…と、転倒防止効果もイマイチ。ジョイントマットを全面に敷いた方が安全。ジョイントマットを敷くまでの気休め程度にしか使わなかった…

 

ハイローチェア

食事用の椅子も兼ねて、バウンサー代わりに…と思ったものの、寝返りを始めてから買ったのが失敗。寝返り打つ前から買ったならもっと活用できていたかもしれない。普通にハイチェアあるいはローチェアを買った方が良い。値段的にも。また、電動スイング機能は全然いらないと思う。手動でスイングしても泣き止まないし、値段が高すぎる。

ただ、アップリカのハイローチェア自体は横幅が比較的スリムでいいものだと思う。

 

ハイローチェアのカバー

ハイローチェア自体は不要だったと思うが、ハイローチェアを食事用のイスとして使いたいなら必須。これを買うまではペットシートを洗濯バサミで止めててとても見栄えが悪かった。ズレるし。カバー自体は買ってよかったと思うが、そもそもハイローチェアの必要性が…と感じているので「買って良かったもの」には入れなかった。

 

一旦このへんで。また思い出したら追記予定。

夫の「取れなかった」育休について思うこと

※この記事から「ですます調」をやめて「である調」で書きます。ですます調だと冗長になるため。過去記事も少しずつ修正予定。

 

男性の育休取得について論じられるようになって久しいが、夫は育休を取得しなかった。というより、できなかった。いや、そもそも考えてもなかったかも。

夫は獣医師が数人の小さな動物病院に勤める獣医師であり、加えて受け持ち患者数は院長の次に多く、彼を頼りにしている患者さんが多くいることは想像に難くなかった(厳密に言うと患者数については彼の自己申告なので見栄を張っている可能性もゼロではないが、彼は私から見ても優秀な人間なのでおそらく信じていいと思う)。

夫が育休を取れば病院としての診察処理能力は低下し、何人もの患者さんが困ることになったと思う。しかも彼は結構特殊な診察をしているので、あぶれた分は周辺の動物病院が診ればええやん♪ともいかないのだ。私だって獣医師やってたから、彼の仕事の特殊性くらいわかるのだ。

それを夫も私も理解していたから、そもそも夫から「育休とったほうがいい?」とかそういう話すら出てこなかったし、私も言わなかった。

が、もし育休が取れる環境の男性は、絶対に取ったほうがいいと思う。

上記色々と書いたが、二人目ができた場合は「今度こそ育休とってやる」と夫は豪語している。

そんなかんじでワンオペ育児について書こうと思う。

ちなみに、ワンオペ育児が我が家でギリ成り立っていると推察される理由は以下の通り。

  • 子供が1人しかいない状態(きょうだい児がいたら無理)
  • 獣医師だったので過酷な状況下で働くことに慣れている(悲しい)
  • 産休〜育休中で働いていない(仕事しながらワンオペ育児してる人、尊敬しか無い)
  • 結構家事は手抜きしている(それを夫が許容している)
  • 休日はちゃんと夫が育児に参加してくれる(してくれなかったら○してる)

基本的に育児は「1人でもできるけど、2人でやった方が断然楽」な作業ばかりなので、どう考えたって大人は2人いたほうがいい。仕事してると「そんな作業2人でやるな」って言われることがあるけど、育児ではそんな場面ないと思う。

ワンオペ育児の困ったその1:食事がままならない

これは特に新生児〜一人遊びするまでの間。基本的に娘のホームポジションが私の腕の中だったため、娘がベッドで寝ている間に食事を済ませるか、抱っこしながら食事を済ませるかの二択しかなかった。

しかも「よーしお昼寝しだしたからラーメンでも作って食べよ♪」となっても、ラーメンが出来上がった瞬間に何故か目覚めて泣き出すので油断できない。急いで食べて抱っこした回数は数知れず。昼休憩がひどい時は2分しかなかった獣医師時代に培った、早食いの技術が役に立つなんて!世の中何がどうなるかわからないなぁ!

なので基本的には抱っこしながら食べられるもの(おにぎりやパンなど)でお腹を満たしていた。サンドイッチ伯爵って天才だと思った。

今は一人遊びしてくれるので、ラーメンを作っても比較的ゆっくり食べられる。嬉しい。

 

ワンオペ育児の困ったその2:お風呂にオペレーション能力が求められる

赤ちゃんと一緒にお風呂問題は本当に難しいと思う。慣れるまではかなり事前の準備、イメトレに時間を要した。

そもそもあまり湯船に浸からず、基本的にシャワーで済ませるタイプなので、「私がシャワーで体を洗っている間、娘がいかに寒くないようにするか」が難しかった。

湯船は体が温まっていいのだが、「今私が気を失って手を離したらこの子は溺れ死ぬんだよな…」と思うと怖くてなかなか湯船には入れられなかった。スイマーバなんて言語道断。なので、基本私も娘もシャワー浴で、夫が休みの日は3人でお風呂…としている。

現在、一緒にシャワー浴をする際のオペレーションは以下の通り。

  1. 浴室暖房をつけ、床にはバスマットを敷く
  2. リビングに娘の着替えや保湿を準備
  3. 脱衣所に娘のバスタオルと自分のバスローブを準備
  4. 娘と一緒に浴室に入り、先に自分の洗髪など済ませる(この間、浴室暖房がついているとは言え娘が寒くないように、適宜お湯をかける)
  5. 娘の洗髪などを済ませる
  6. 自分が先に出て、髪をタオルでさっとまとめてからバスローブを着る
  7. 娘をバスタオルで包みつつリビングへ運び、保湿や着替えを済ませる
  8. 自分の保湿・着替えを済ませる

バスマットは小さめのもの↓だが、もうちょっと大きくてもよかったかも。でも干すのが面倒になるので一長一短。

 

 

4.について、寝返りなども打たずあまり動かない時期は、寒くないよう娘に沐浴ガーゼ越しにお湯をかけていた。私はやらなかったが、どうせ洗濯するので肌着を着せたままで浴室に入れるのもありだったと思う。動くようになってからはお風呂用のおもちゃで遊んでもらっている。

バスローブは、ワンオペ育児には必須だと思う。あるとないとで全然違う。半袖も存在しているらしいが、長袖推奨。気にする人は洗い替えもあったほうがいい。

 

ワンオペ育児の困ったその3:料理中の子供どうする問題

我が家には娘が生まれる前からキッチンの入り口に猫侵入防止用ゲートが設置されていたため、料理中に娘がキッチンへ侵入してくることはないのだが、パワーがついてきてゲートをガッチャガッチャ揺らすのでいつ壊されるかとヒヤヒヤしている。また、娘とゲート前でおこぼれをつけねらう猫とのポジション争いも日常茶飯事であり、料理に集中するのは結構難しい。

夫がいる日であれば「ちょっと!!!!ちゃんと面倒見て!!!!」と怒鳴ればそそくさと夫が娘を回収しに来るが、平日はそうもいかない。

なので、我が家ではテレビにPS4経由でYoutubeをつなぎ、JRAが作成したオジュウチョウサンの再生リスト↓を流している。

www.youtube.com

以前(ミルクを飲まない娘にやったこと - 元獣医師の子育て記録)も書いたとおり、なぜか娘は競馬を見るとおとなしくなるという性質をもっており、ずっとテレビに釘付け…とまではいかずとも、それなりにテレビに意識をもっていかれるのでゲート前で猫とポジション争いをすることはなくなる。

まぁ私がテレビを基本的につけない生活をしているから有効なのもあるかもしれない。

 

私は平気だけど困る人もいそうなワンオペ育児中の家事:洗濯

我が家では洗濯物は完全室内干しなので、「ベランダで洗濯中に子供をどうするか」問題が存在しないのだが、外干ししたい人は大変だろうなと思う。

室内干しで使っているのはこちら↓

www.nitori-net.jp

大きいので圧迫感もそれなりにあるが、干せる容量はかなり多い。一応折りたたむことも可能なので、マメな人は朝干して夜畳む…ができると思う。我が家はズボラなので年中出しっぱなし(来客時のみたたんでしまう)。

ちなみに完全室内干しなのは大通り沿いで排気ガスが気になるのと、昔洗濯物にセミがついていて腰を抜かしたことがあり、それ以来外干しがトラウマだから。ペットがいるので基本的に一年中エアコンをつけている=乾燥している関係上、洗濯物が生臭くなることはあまりない。nanoxは優秀。

 

こんなところだろうか。

ワンオペ育児は子供が現在1人なのでギリ可能だが、休日に夫と2人で育児していると「うわあああああなんて楽なんだああああああ」と思うので、育児はなるべく2人でやるべきと思う。

なお、平日は朝早くかつ帰りが遅いため、休日という限られた時間しか娘と接していない夫だが、今の所娘は夫にかなり懐いている。ひとえに休日に精力的に娘のお世話をしている彼の行動の結果だと思う。子供というのはお世話してくれる人をちゃんと見ているなぁと関心するばかりである。

ペットを飼いながら赤ちゃんと暮らすということ

獣医師夫婦ということもあり、娘が生まれる…いや結婚する前から我が家には色々な動物がいました。今では猫2匹、げっ歯類総勢約20匹の大所帯(?)で暮らしています。

ということで、今回はペットを飼いながら赤ちゃんと暮らすということについて書きたいと思います。

結論から言うと、もうペットを飼ってる人はしょうがないですが、「赤ちゃんの情操教育・お友達に♡」と、赤ちゃんが生まれてからペットを飼うのは絶対やめた方がいいです。

まぁ爬虫類・両生類・魚類などの毛がないペットならギリありかなと思いますが、生まれてくる子供がアトピーや喘息がないとは言い切れない以上、犬猫などの毛のある動物を飼うべきじゃないです。

もちろん犬に噛まれるなどの怪我のリスクもあります。小児科学会から傷害速報もでています*1

獣医師として断言しますが、「うちのワンちゃん/ネコちゃんはそんなことしないから!」は何一つ信用なりません。普段お世話をしてくれる人には優しくても、耳を引っ張ってきたり急に大声を出す赤ちゃんに対しても犬猫が優しくしてくれるとはかぎりません。また、本犬・本猫に悪気がなくても怪我をさせてしまう可能性は十分にあります。

あと、シンプルに生活エリアをわけるのもだるい&難しいです!!!ペット用のお部屋を用意できる豪邸に住めるなら別ですが。

でもお前、ペットと赤ちゃんと一緒に暮らしてるやん。という声について、うちではどうしているか?というのを書いていきます。しかしこれは一つのケースレポートでしかないので、こうすれば安心だぜ!というよりは、うちの家にはこうしたら適用できるかも?と考えながら読んでいただきたいです。

 

ベビーベッドはいる。悔しいが。

そもそも都内の狭小住宅で慎ましく暮らしているので、ベビーベッドみたいな巨大なものはなるべく置きたくなかったんですが、犬猫と暮らす以上は必須です。必須すぎます。

まず、犬猫を飼っていると床が汚いです。私が掃除嫌いとかではなく、午前中に掃除しても午後には毛まみれになってしまうんです(トイプーとかなら違うのかも)。そんなところに布団敷いて赤ちゃんを寝かせるのはかなりの抵抗感です。

また、ベビーベッドは一種の安全地帯でもあります。犬は絶対に入ることができないため、ベビーベッドに寝かせておけば安心♪というのがあります。

一方で猫はジャンプして侵入することもあるため、蚊帳の使用をおすすめします。

まぁ…結局開け閉めがめんどくなってきたりするんですが…。

 

檻かゲートか

娘がハイハイを始めたあたりから猫トイレや水入れで遊ぶシーンが出てきたため、トイレ・水入れを隔離する必要が出てきました。

今では猫用ケージ↓の中と、ソファと壁とゲートで区切られて娘が入れない区画にそれぞれ置いています。

ゲートはこちら。キッチンへの侵入防止なんかにも使えます。

突っ張り式より自立式の方が自由度が高いなとは思います。ただしパワーがついてくると自力で動かしちゃったりするのですが…(うちはゲートとソファの足を紐でくくって動かないようにしています)

ベビーサークルが置ける家であれば、その方が簡単です。うちはベビーサークルを置く場所がないので泣く泣くこのような形になっています。

 

保湿せずにいられない。

当然猫も娘も私の命よりも大切なので、猫か娘かどちらか選び、どちらかを切り捨てろと言われてもできません。ので、もっとも恐れていたことが娘のアトピーor/and喘息の発症でした。アトピーも喘息も猫の毛は増悪因子なので。

これがなぜ保湿につながるかと言うと、保湿せずに肌が荒れる→そこから猫由来のアレルゲンが入る→アレルギー反応であるアトピーや喘息の発症、という流れがあるからです。

なので、新生児の頃は特に狂ったように保湿しました。乳児湿疹も一瞬出ましたが、しっかり洗って保湿、ひどいところはステロイド塗布。を徹底したので、今に至るまでほぼキレイな肌で来ています。子供は代謝がいいので頑張った分すぐ反映されるからいいですね。私なんてどんだけ保湿しても効果ないのに…

おすすめの保湿剤はこちら↓ ピジョンのベビーローションです。

[rakuten:netbaby:10039299:detail]

黄色いパッケージのうるおいプラスというのもありますが、正直違いがよくわからないので普通に白い方を買っています。

これはポンプ式なので使いやすく、伸びもよく、臭いもせず、なにより市販品で保湿成分セラミドが含まれているのがいいです。ほかの市販の保湿剤だとセラミドが含まれてなかったりするんですよね。

なお、顔だけはちょっとお高めのものを使っています。↓

[rakuten:energy:10063727:detail]

こちらの保湿成分は「ヘパリン類似物質」、いわゆるヒルドイドと同じですね。なので別にヒルマイルドとか他のOTC医薬品でも代替可能だと思います。

ヘパソフトも伸びが悪いわけではないのですが、全身に塗るにはちょっとやりづらい&高いという側面があるので、顔と体で使い分けています。

ちなみにシャンプー・ボディソープもピジョンです。泡で出るやつを使っています。

[rakuten:sundrug:10081948:detail]

 

真の猫は、高さを選ばない。

ここまで赤ちゃん側から見た環境整備について書いてきましたが、猫側も環境整備する必要があります。

猫から見た赤ちゃんというのは、「急に家に住みついた得体の知れない生き物」です。予測不能な動き、急に発される奇声。猫が赤ちゃんを嫌う要素はいくらでもあります。

なので、絶対に赤ちゃんが侵入することのできない猫が安心できる場所を必ず作ってあげてください。おすすめはキャットタワーです。猫は高いところが好きな上に赤ちゃんは手が届かないので。

普通のキャットタワーだとよじ登ってしまって危ないのであれば、3段くらいのケージがおすすめです。うちも普段は↑の方で紹介したケージの扉は開け放して、キャットタワーとして活用しています。キャットウォークがある家なら安心かもしれません。

 

以上つらつらと書いてきましたが、また思い出したら追記するかもしれません。

次はワンオペ育児について書こうかと思います。

ミルクを飲まない娘にやったこと

離乳食の記事↓でも書いたが、娘はまーーーーーミルクも飲まなかった。

arahina.hatenablog.com

ミルク缶に表示されてる推奨量なんかとてもじゃないけど飲めない。もうすぐ1歳になるが、1回に200ml飲んだことは一度もない。1日に飲んだ最高記録は830ml…。

厳密に言うと、ミルクは生後1ヵ月半くらいの時に急に飲まなくなりました。

それまでは与えたら与えた分だけ飲んでいて、あまりにも急に飲まなくなったので具合悪いのか!?と思って熱を測りましたが、平熱。

ほぼ母乳は与えていなかった(というか乳首くわえさせても全然吸わないのでめんどくなってやっておらず、帝王切開から退院後にはほぼ完ミになってました)ので、哺乳瓶拒否とかそういう問題ではなさそう。

どうやら生後3ヵ月くらいから赤ちゃんにも満腹中枢が発達してきて、ミルクを飲まなくなることがある…らしいのですが、1ヵ月半ぞ??早すぎん??????

しかし健診でも特に異常は指摘されず、一応体重も鈍いながらも増えていたし、何より毎日ご機嫌で元気だったので、本当に病気とかではなく単に気分で飲まない…ということでした。

でもいくら気分で飲まないって言ったって、1回に10とか20mlしか飲まなかったら親としては栄養ゥー!と焦るわけで、なんとかして少ないながらもせっせとミルクを飲ませていました。

ということで、ミルクを飲まない娘にやってきたことを連ねていきます。

効果がなかったこと

ミルクの種類を変える

飲みません。そんなんで飲むようになるなら苦労しません。ちなみにうちでは産院で使っていたその流れでアイクレオを飲ませていました。でもほほえみでもはいはいでも平等に飲みませんでした。うちの子博愛主義なのかも。

 

乳首の種類を変える

飲みません。うちではピジョンの母乳実感乳首↓を使っていたので友達からもらったチュチュベビーの乳首に変えてみましたが、一滴も飲みませんでした。一滴も。

 

乳首の大きさを変える

飲みません。だからそんなので飲むようになるなら苦労しません。MだろうがLだろうがクロスカットだろうがスリーカットだろうが新しかろうが古かろうが飲みません。

 

ミルクの温度を変える

多少関係しますが、劇的に飲むわけではありません。娘は気持ち熱めが好きなようで、ぬるいとまったく飲みません。なので冷めてしまった場合はレンチンで温め必須です。

 

飲ませる人間を変える

飲みません。私が飲ませても夫が飲ませても一時預かりの保育士さんが飲ませても飲みません。

 

哺乳瓶を緩める

飲みません。どうやら哺乳瓶を固く締めてるとミルクが出づらくて飲まないらしい!という話を聞いて漏れない程度に少し緩めてみましたが、飲みません。口開けないんだから関係なかった。

 

角度を変える

飲みません。角度つけようがつけなかろうが飲みません。もしかしたら1°単位で娘の飲みやすい角度があるのかもしれませんが、そんなの毎回再現できません。

 

オムツを緩くする

飲みません。テープタイプでキツめに止めてるとお腹が圧迫されるので飲まない…という説を見ましたが、普通につけてたら別にぎゅうぎゅうになってるわけじゃないので飲みません。ミルク飲まない勢エアプか?

 

効果があったこと

寝ている間に飲ませる

寝ていると比較的多めに飲んでくれました。しかしこの作戦はかなり諸刃の剣で、熟睡していると一滴も飲みません。口から全部溢れてきます。なので、寝入った瞬間を見極め、素早くミルクを用意して与える必要があります。

娘が寝ている間はこっちも寝たいのですがそうもいかないので、なかなか過酷な作戦でした…。

 

抱っこしながら飲ませる

飲むことが多いですが、こちらのフィジカルが求められます。立って横抱きにしながら足を支えている方の手でなんとか飲ませるかんじです。主に泣いて飲まないときに効果的でしたが、持続可能な姿勢ではありません。二人いれば片方が抱っこして片方が飲ませる…とかもできるのですが、基本ワンオペだったので自分のフィジカル頼りでした。もってくれよ、私の体…!と思いながらやっていましたが、このときほど腕が4本ほしいと思ったことはありません。

 

競馬を見せながら飲ませる

これが一番効果的でした。何を言っているかわからないと思います。私が観測した限りでは、他にこんなことやってる人いません。

一般的に「テレビを見せながら飲ませると集中できずに飲まない」と言われているので私も最初はそのようにしていたのですが、ある時あまりにも泣いて拒否し、泣き止ます元気も上記の通り立ち抱っこして飲ませる気力もなかった時に、せめて泣き止むまでこっちの気晴らしに競馬でも見るか…とYoutube関屋記念の出走馬参考レースを見始めたのがきっかけでした。

なんとレース映像が始まった瞬間、号泣していた娘がピタリと泣き止んだのです。泣き腫らした目で食い入るようにレースを見ていたんです。

これ幸いとばかりに競馬を見ている娘の口に哺乳瓶をぶちこむと、なんと完飲したのです。競馬を見ながら。

この時期は作った分完飲するのなんて本当に稀で、娘が一体今どのくらいの量のミルクを飲みたい状態なのか?を推測しながらミルク量を決定するというギャンブルをしていました。チキって少なく作ると機会損失になりますし、かと言って多すぎればミルクの廃棄に繋がります。

「娘がミルクを飲まないのではない、私がギャンブルに弱いのだ」と思うことで心の平安を保っていたのです。

(余談ですが飲み残したミルクは、集めて大人が食べるちぎりパンの材料にしていました。牛乳で作るよりもちっとした感じに仕上がっておいしいです)

 

ともあれ「競馬を見せながらだと何故か飲む」ということが発見されてから、かなり状況は好転しました。それまではミルク量を稼ぐために頻回少量でなんと1日に9〜11回ミルクを与えていたのですから…。母乳じゃねーぞミルクだぞ。

それでも全然量を飲む方ではなかったですが、でも泣いて拒否されないだけこっちのメンタルがだいぶ楽です。

それから、ミルクを飲ませるときは必ず競馬を流しながら…というのが我が家のルーティーンになりました。ちなみにおすすめはJRA公式が公開しているオジュウチョウサンのプレイリストです。

www.youtube.com

オジュウチョウサンのプレイリストの何がいいかと言うと、

  • 障害レースなので1レースが長く、途中で途切れることが少ない(主にマイル・スプリントで活躍したグランアレグリアなんかは1レースが短いので細切れになります)
  • 長期に渡って活躍したためプレイリストに入っているレース数が多く、ミルクを飲ませている間にプレイリストが終了するといったことが絶対にない(上記同様、グランアレグリアだとプレイリスト自体がすぐ終わってしまいます)
  • 馬が走るだけでなくジャンプするので映像的にも変化があって楽しい(多分)

もう本当にオジュウチョウサンには足を向けて寝られません。オジュウチョウサンのおかげで娘が育ったと言っても過言ではありません。レース映像見すぎて実況聞いたらどのレースなのかわかるようになりました。好きなレースはカラ馬となったラグジードライブに致命的な不利を何度も喰らいながらも勝ちきった2016年東京ハイジャンプ、大逃げタマモプラネットを格が違うとばかりに楽々退ける2017年東京ハイジャンプ、そしてもちろん大逃げアップトゥデイトとの最後の直線の攻防、「前王者か!現王者か!青い帽子2頭の追い比べに変わる直線!」が激アツの2017年中山大障害です。この3つは死ぬほど再生したので、公式の再生回数のうち100回くらいは私です。実況も完コピです。あとは2021年中山大障害もいいですね。さすがに衰えが見られ始めた中での復活のゴール、ゴール後にブラゾンダムールの西谷騎手がオジュウチョウサンの石神騎手の肩を叩くシーンがとても好きです。

 

話がだいぶ逸れましたが、以上、ミルクを飲まなくて困っている方のヒントになれば幸いです。

また、個人的な興味として気になっているので「うちの子も競馬見せながらならミルク飲みました!」なんてことがもしあればコメントいただけると嬉しいです。

 

完ベビーフード育児

現在、私はほとんど離乳食を手作りしていません。

料理はわりと好きな方なので最初は頑張っていましたが、何が悪いのか手作りだと全然食べず、ベビーフードだと完食するということが続いて心が折れたので手作りをやめました。

今手作りしてるのはしらすご飯とおやきくらいですかね。しかもおやきの素を使ったやつ。あとはベビーフードにトッピングくらいはします。

 

ビーフードは製造過程で栄養がうんぬんみたいな話も聞きますが、企業が叡智を結集させて作ったベビーフードの栄養が偏ってるわけなくないですか?どう考えても素人が作った離乳食の方が栄養偏ってる気がするんですが

犬猫だと当然手作りよりドッグフード・キャットフードが推奨されるのに、ヒトだと手作りが推奨されるのはよくわからないですね。犬猫に手作りを推奨しない理由については獣医師として語りたいところもあるので、この記事の下の方に書くことにします。

あと、いくら手作りの方が栄養があったところで食べなければ何一つ意味はないので。と思って完ミならぬ完ベビーフードでやってます。今の所元気で何も問題ありません。

 

日本人って食に対するこだわりが強い民族だとよく言われてますが、そのへんが離乳食の手作り信仰にもつながってるのかなと思います。

ちなみに、厚労省が公開している「授乳と離乳の支援ガイド*1」にはベビーフードについて以下のように書かれています(一部抜粋しています)。

離乳食は、手作りが好ましいが、ベビーフード等の加工食品を上手に使用することにより、離乳食を作ることに対する保護者の負担が少しでも軽減するのであれば、それも一つの方法である。 ベビーフードは、各月齢の子どもに適する多様な製品が市販されている。手軽に使用ができる反面、そればかりに頼ることの課題も指摘されていることから、ベビーフードを利用する際の留意点を踏まえ、適切な活用方法を周知することが重要である。

「手作りが好ましい」と書かれてはいますが、なぜ好ましいのかという理由は書いてないんですよね。

ちなみにベビーフードの課題については以下のように書かれています。

1. 多種類の食材を使用した製品は、それぞれの味や固さが体験しにくい。

2.ベビーフードだけで1食を揃えた場合、栄養素などのバランスが取りにくい場合がある。

3. 製品によっては子どもの咀しゃく機能に対して固すぎたり、軟らかすぎることがある。

1と2については、「ベビーフードにトッピング」で解決できます。

離乳食はほとんど手作りしていないと書きましたが、一部手作り(?)して冷凍でストックしているものがあります。それが5倍がゆと野菜(にんじん、小松菜/ほうれん草、かぼちゃ、さつまいも)と魚(たら/かれい、しらす)です。

「このベビーフードはなんとなく野菜が少ないな」「タンパク質が少ないな」「炭水化物入ってないな」という時に、ビーフードにプラスすることで栄養バランスを補ってるかんじです。ついでに、素材そのもの味わってもらえるって算段です。

娘は肉より魚が好きなので魚をストックしていますが、お肉でも別にいいと思います。

 

3については、確かに思うところがあります。

前回紹介した味千汐路↓なんかは、対象月齢の割に軟らかいな〜と思って与えていました。

でも大手のキューピーや和光堂のベビーフードではあまりそう感じないので、別に過剰に気にする必要はないと思います。

 

また、ベビーフードを使用する際の留意点については以下のとおり書かれています(一部抜粋)。

◆子どもの月齢や固さのあったものを選び、与える前には一口食べて確認を。

◆離乳食を手づくりする際の参考に。

◆用途にあわせて上手に選択を。

◆料理や原材料が偏らないように。

開封後の保存には注意して。食べ残しや作りおきは与えない。

どれも正直手作り食での注意点と変わらないですよね。なので私はこれからもベビーフードを使いまくっていこうと思います。

いつかは一緒の食事をできるようになると信じて…。

 

 

【おまけ】犬猫に手作り食を推奨しない理由

獣医師として犬猫に手作り食を推奨しない理由は簡単です。必要な栄養素が全然足りないからです。

市販されている犬のレシピ本及び飼い主のオリジナルレシピを対象として、栄養素の充足度について調査した報告があります*2。この報告によると、調査対象レシピの中ですべての栄養素が充足していたレシピは存在しておらず、必要な栄養の半分しか摂れないようなレシピもあったそうです。

もしかしたら「手作りの方が健康に良い」と思って作っているのかもしれませんが、これでは本末転倒ですね。

また、これは診療をしていたときの感覚ですが、手作りしか食べさせていない犬は基本的に甘やかされていることが多く、病気になったときに食べるものが無くて困ります。

ドッグフードしか食べていない犬は病気になり、調子が悪くなっても「ささみなら食べるかも?」「この缶詰はどうかな?」「療法食に切り替えてみる?」など、”自分で食べる”選択肢がありますが、手作り食しか食べていない犬はそもそも他のごはんを何も食べず、強制給餌で栄養をぶちこむしかない…ということが多くありました。

このように栄養面でも生活面でも何一つメリットはないため、手作り食はまったくおすすめしません。

一方で、「手作りのものを食べさせたい」という飼い主さんの気持ちもわかります。なので、せめてドッグフードにトッピング…という形で手作りしてあげてほしいのです。

ゆでささみを乗せてあげたり、ちょっとお魚を足してあげたり、そんなことでも十分に愛情は伝えられると思うんです。ただしあげすぎて太らせるのは病気のリスクになるのでやめてほしいですが…。

昔、消化器の先生の講義で「週に1食でもドッグフード(総合栄養食)を与えていれば、大きな問題は起きにくい」といっていました。これはその先生の所感でありエビデンスレベルはとても低いのですが…それくらいドッグフードは偉大なんです。キャットフードも同じです。

インターネットにはペットのための手作りレシピなるものが溢れていますが、お願いだからおとなしくドッグフード・キャットフードを与えてください。それが健康への一番の近道です。

*1:https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf

*2:清水いと世 ほか:ペット栄養学会誌, 20, 2, 2017

離乳食を食べない娘にやったこと

そもそもミルクも全然飲まない娘だが、当然のように離乳食もぜーんぜん食べない。光合成でもしてるのか?ってくらい、食べない。のに、元気。多分「食欲」って概念が無いんだと思う。

ちなみにどのくらい食べないかというと、離乳食開始から1ヶ月経った時点で1日に60gも食べたらかなり良い方だった。1食で10gしか食べないこともざら。

11ヶ月になった今では多少食べるようになったが、それでも1回に80〜130gくらい。目安量↓なんてとてもじゃないけど食べない…。

厚生労働省:授乳と離乳の支援ガイドより

5倍がゆだけで90gも食べるわけないだろ!!

ここからは、同じようにぜーんぜん離乳食を食べないお子さんを持つ方の参考になればいいなと思って記事を書く。

(ミルクを飲ませるためにやったことも後日書く予定)

効果がなかったこと

膝に抱っこして食べさせる

食べません。

厳密に言うと食べるときもあるが、それは”ごはん食べてやってもいいが今は抱っこしてほしい”という場合だけであり、”ごはん食べてやってもいい”という感情がそもそも無い場合は抱っこしても食べない。

あと抱っこして食べさせるのは結構難しい。のけぞって拒否されるともうどうしようもない。ので、よっぽど初期じゃない限りは抱っこは推奨しない。

 

ベビーチェアに座らせる

食べません。

我が家ではハイローチェアを食事用の椅子として使っていたが、「背もたれと座面が硬くて、足がついていると食べやすい」という記述を見てちゃんとしたベビーチェア↓をレンタルした。

でも食べない子は足がついてようがついてまいが食べない。そもそも口開けないから。

あとこれはレンタルして気付いたのだが、うちの娘は成長曲線の下の方を低空飛行しているような成長具合なので、ベビーチェアがゆっるゆる。普通に抜け出して立った…。ハイチェアだったら危なかった…。

結局レンタルは返却し、普通にハイローチェア↓で食べさせている。

汚れないようにカバーも買った。↓

 

 

テレビを消す

そもそもテレビはつけていなかったが、テレビで気を逸らしたほうが食べるかな?と思ってつけていた時期もあった。でもどっちにしろ食べません。

 

十分にお腹を空かせる

食べません。

児童館に連れて行って運動させようが食べないもんは食べない。だって「空腹」って概念がないんだから。

 

スプーンを変える

食べません。

シリコンだろうが金属だろうが木製だろうがそんなことは関係ない。でも食べさせやすいかどうかは大事なので、自分の手にフィットするスプーンを見つけることが食事をねじこむ第一歩だと思う。おすすめのスプーンは後述する。

 

手づかみ食べをさせる

おやつしか食べません。

おやつは手づかみで食べられるということは、手づかみ食べが「できない」んじゃなくて「やらない」だけである。なんてこった。

スティック状のさつまいもを持ってニチニチいじってるだけで一切口に運ばない。ハイハインは食べるくせに。なんでや。

 

効果があったこと

温める

もうシンプルかつ一番効果的。レンジで10〜20秒ほど温めるだけで開かずの扉だった口が開く。電子レンジバンザイ。ただし加熱ムラには注意。

娘は本当に温度管理に厳しいので、少しでも冷めてると食べない。なので冷める→レンチンで温める→冷める…と、私は食卓と電子レンジをしょっちゅう往復している…。

 

ねじこむ

本人の「食べる」という意思を尊重していたら一生食べない。ので、少しでも口が開いた瞬間にねじこんでカロリーを稼ぐしかない。

4種類ほど試したが、↓が一番ねじこみやすい。薄くて平たいのに、意外と多くすくえる。ただし利き手により向きが違うので注意。私は左利きなので左利き用のものを買ったが、右利きの夫はそれだとかなり使いづらそう。

ちなみに、うちでは下記の方法で口を開けさせてねじこんでいる。

  • とりあえず口が開くのを待つ
  • 濡れタオルで口周りを拭く
  • 猫を見せる
  • 道化に徹し、愉快な歌を歌って笑わせる

無理やりスプーンを押し込んでも絶対に口を開けないので注意。北風と太陽で言ったら太陽の作戦。

「あーんして♪」と言いながらこっちが口を開けたところで赤ちゃんには通用しない。そんなに世の中甘くない。

 

高級ベビーフードを与える

これは経済的な心配がなければかなりおすすめ。やはり赤ちゃんも人の子、おいしいものなら食べる。↓の味千汐路はアカチャンホンポなどでも売ってることがある。

あとはこちらのBaby Orgenteもおすすめだが、あまり実店舗で売ってるところを見ない…↓

beans-japan.jp

アカチャンホンポとかより百貨店やデパートの方が取り扱いあるかも。

これのかぼちゃリッチスープは本当に本当におすすめ。おかゆにまぜるだけでめちゃくちゃ食べ付きがよくなる。デメリットは高いことだけ。私は精神的に余裕がないときにラストエリクサー的な立ち位置で使っている。

 

 

こんなところかな。「こうすれば絶対食べる!」は当然、ない!!!!!!

 

次は、私とベビーフードの考え方について書きます。